思考は止められない
- Manish Nukii
- 2016年2月29日
- 読了時間: 5分

思考は止められない。
思考は止まらないわけではない。
けれども止めることはできない。
それはひとりでに止まる。
この違いを理解しなくてはならない。
でなければ、あなたは
自分のマインドを追いつづけ、
気が狂ってしまう。
ノーマインドとは、
考えをストップすることで
起こるのではない。
思考がもはやないとき、
ノーマインドの状態になる。
思考を止めようとする努力そのものが、
よりいっそうの苦しみをつくりだす。
闘争を生み出す。
あなたは分裂してしまう。
あなたは内側でたえまなく混乱する。
これは役に立たないだろう。
たとえもし、ほんの一瞬、
強制的に思考を止めることに
成功したとしても、
それはノーマインドの状態に
到達したわけでは決してない。
なぜなら、この瞬間は、ほとんど
死んでいるようなものだからだ。
この瞬間は生きていない。
あなたはある種の静けさを感じるだろう。
だがそれは沈黙ではない。
なぜなら強いられた静けさは
沈黙ではないからだ。
その沈黙の下、
深い無意識の層で
抑圧されたマインドが
動き続けている。
というわけで、
マインドを止める方法はない。
だが、マインドは止まる。
それは確かだ。
それはひとりでに止まる。
さあ、どうすればいい?
見守りなさい。
止めようと試みないことだ。
マインドに逆らって、
何かことを起こす必要はない。
それに誰がそれをやるんだね?
そんなことをすれば、マインドが
マインド自身と戦うことになってしまう。
あなたはマインドを二つに分けてしまうのだ。
ひとつのマインドがもう一方のマインドを
牛耳ろうとする。
彼は支配者となり、
相手のマインドを殺そうとする。
それはおかしなことだ。
馬鹿げたゲームだ。
それはあなたを狂わせる。
マインドや思考を
止めようとはしないことだ―。
ただ見守り、許しなさい。
全面的な自由を与えなさい。
好きなだけ、早く走らせて起きなさい。
どのような方法であれ、
マインドを支配しようとしないことだ。
ただ観照者となりなさい。
マインドは素晴らしいものだ。
マインドは最も美しいメカニズムのひとつだ。
科学はいまだに、
マインドと同じくらい素晴らしい
メカニズムを作り出していない。
マインドはまだ、傑作のままだ。
多くの可能性を持った、複雑で、
とてつもなく力強いものだ。
それを見守り、楽しみなさい!
そして、マインドを敵のように
見ないように。
なぜなら、もしマインドを敵にしてしまったら、
あなたは見守ることができなくなってしまう。
あなたは既に偏見を持っている。
すでに逆らっている。
あなたは既に、マインドが何か
間違っていると決めつけている。
既に結論を下している。
あなたが誰かを敵のように見るときは
必ずその人を深くは見ていない。
決して、その人の眼の中を見ていない。
あなたは避けている。
マインドを見守るということは
深い愛とともに、
深い尊敬と敬意とともに、
それを見ることを意味している。
― それは神からの贈り物だ!
マインド自体に何の問題もない。
思考すること事態に何の問題もない。
他のプロセスと同じように
美しいプロセスだ。
空を流れる雲は美しい
― 考えが、内側の空を流れるのが
なぜいけない?
樹々に花が咲くのは美しい
― 思考があなたの存在の中で
花咲くことがなぜいけない?
川が大海へと流れ出ることは美しい
― この思考の川が、どこか見知らぬ
運命へと流れるのがどうしていけない?
それは美しくないことかね?
深い敬意とともに見てごらん。
闘士にならないように。
愛する人になりなさい。
見守る人になりなさい!
マインドの微妙なニュアンスを。
突然の変化、美しい変化、突然の跳躍、
マインドが遊び続けるゲーム、
織り成す夢、
― 想像、記憶、マインドが作りだす
千とひとつの投影。
見守りなさい!
そこに立ち、超然として、
距離を保ち、巻き込まれず・・・、
やがてあなたは感じ始めるだろう。
あなたの油断なさが深くなれば、
あなたの意識も深くなる。
そして、切れ間が現われ始める。
「間」だ。
ひとつの考えが去ってしまった。
別のものはまだやって来ない。
そこに切れ間がある。
ひとつの雲が通り過ぎ、
別の雲がやって来る。
そこに切れ間がある。
これらの切れ間の中で
あなたは初めて、ノーマインドの
一瞥を得るだろう。
ノーマインドの感覚を味わうだろう。
それを禅の味、
タオの味、
ヨーガの味と呼ぶ。
これらの小さな「間」の中で、
突然に空は晴れ渡り、
太陽が輝き出す。
突然に世界が神秘に満ちる。
なぜなら、すべての障害が
落とされたからだ。
あなたの目の中に
かかっていた膜はもはやない。
あなたははっきりと、
鋭く見る。
全存在が透き通る。
最初、これらの瞬間はめずらしく、
ごくまれにしか起こらないだろう。
だがそれはサマーディーが何であるかの
一瞥を与えてくれる。
小さな沈黙の貯水池 ―
それはやって来ては消えていく。
だが今、あなたは正しい道に
いることを知っている。
あなたは再び見守り始める。
考えが通り過ぎるとき、
それを見守りなさい。
切れ間が通り過ぎるとき、
それを見守りなさい。
雲は美しい。日の光も美しい。
今あなたは選ぶ人ではない。
今あなたは固定したマインドを
持っていない。
あなたは「間」だけが欲しいとは言わない。
それは馬鹿げている。
なぜなら、ひとたび「間」だけに
執着したら、あなたは考えることに
対抗するよう決意してしまう。
すると、「間」は消えていく。
あなたが距離を持って、
超然としているときにだけ
それが起こる。
それは起こる。
起こることを強いることはできない。
それは自然発生的な出来事だ。
EndFragment
Comments