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努力、無努力、明け渡し

  • 執筆者の写真: Manish Nukii
    Manish Nukii
  • 2016年5月30日
  • 読了時間: 4分

グルジェフは「超人的な努力が必要だ」と言う。 ところが、老子は「無努力」と言う。 両方とも超人的だ。 超人的な努力をすれば、 あなたは即座に、 老子の言葉が意味を 持つような地点に 到達するだろう。 グルジェフを通って初めて、 あなたは一切の努力を 落とせるに違いない。 今では直接的に老子に アプローチするのは不可能だ。 実際のところ、 あなた方は狡猾でずる賢く、 もし老子の話を聞いたり、 老子を読んだりしたら、 一切の努力を落とすことなど、 不可能になってしまうだろう。 可能性としては 怠惰に固執する方が大きい。 ここにもそいう連中がいて、 私が老子について話し始めると すぐ質問を、 『正しい』質問をし始める。 「それなら、アシュラムの中で 働かなくてはならない人間は どうなるのですか? 私たちは仕事をやめるべきでは ないのですか?」 彼らは働くのをやめたいのだ。 彼らは老子を理解しているわけではない。 もし理解していたとしたら そんな質問などするはずがないからだ。 老子は仕事をやめろと 言っているのではない。 彼は努力をやめろと 言っているのだ。 「努力せずに為せ  自然に為せ」 彼はあなた方に怠惰にさせようと しているのではない。 「何もしないで寝ていればいい」 と言っているのではない。 しかし、もしあなたが 他の人たちがやってきて 自分を食べさせてくれるなどという ことを期待しなければ、 寝ているのもまた結構だ。 まったく問題ない。 ところが、そうなるとあなたは まわりを見渡す。 「みんながやって来て、 悟りを開いた偉大なる パラマンサ(大いなる魂)として、 自分に敬意を表してくれないだろうか?」 あなたは怠惰になってしまう。 グルジェフは完全に正解だ。 彼は超人的な努力をしろと言う。 彼は人々に無理矢理努力をさせる。 彼はもうそれ以上 どこへも行けなくなってしまう地点まで みんなを駆り立てる。 そうすると、努力はひとりでに落ちていく。 あなたが努力を落とすことなど できるものではない。 あなたはそれにしがみついていたのだ。 グルジェフは「1日中、溝を掘れ」と言う。 それだけで仕事としては、 10時間もかかる。 そうすると今度は埋めろと言い、 その次には掘れと言い、 もう一度埋めろと言う。 彼は何をやっているのだろうか? 彼はあなたを理性から 引きずり出そうとしているのだ。 超人的な努力―― ある人が三ヶ月も同じことをする。 三ヶ月後にはその人が完全に 生まれ変わってしまうのは あなた方にも理解できるだろう。 もう彼は瞑想の用意ができている。 グルジェフは最初から瞑想など授けない。 まず彼はあらゆる点で、 あなたを試してみる。 あなたの存在のあらゆる角度から 彼はあなたが明け渡せるかどうかをみる。 何か馬鹿げたことにも明け渡せるかどうか。 彼は大勢の人たちの力になった。 彼はこの時代、 とくに西洋にはうってつけの人物だった。 この二人に矛盾点を 見つけようとしないこと。 そんなものはない。 あらゆる目覚めた人たちは みな同じものを見せようとしていた。 同じことを言っていたのだ。 彼らの言葉は違う。 彼らはあなたには矛盾して見えるかもしれない。 が、彼らが矛盾していることなどあり得ない。 もし矛盾して見えるとしたら、 そのときには、どこか あなたの理屈が間違っているのだ。 もっと深く入っていってごらん。 ある日、あなたは 彼らが同じことを言っているのだ ということが分かるレベルに たどり着くだろう。 グルジェフは できる限りのことをやれと言う。 そして、老子は やってはならない、 ものごとを起こさせろと言う。 しかし、両方とも同じことを言っているのだ。 なぜならば、やりすぎた後で初めて、 あなたは老子を理解できるようになるのだから。 老子なら完全にグルジェフを していただろう。 もしあの二人が共同で仕事をしていたら、 それこそ完璧だったろう。 それが私のやろうとしていることなのだ。 グルジェフと老子の両方―― あなた方が私の中にたくさんの 矛盾を見るのはそのためだ。 老子彼自身の中には何の矛盾もない。 グルジェフ彼自身の中には何の矛盾もない。 その二人を一緒にすると矛盾が見える。 私の中にあなた方は毎瞬のように 矛盾を見るだろう。 私の矛盾を見つけるのに 何も誰か他の悟った人を 連れて来る必要はない。 私は明らかに矛盾している。 なぜなら、 生を両極性を持ったものと見るからだ。 あなたは 無理矢理にでも 行為の極限まで 追い込まれなくてはならない。 そうして初めて <明け渡し>が起こる。 <手放しLet-go>が可能になる。 OSHO「TAO 永遠の大河」より


 
 
 

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